ハナモモの女の子
うちのウメちゃんはとっても「女の子らしい」
オンナノコラシイってナンダ?
というのはさておき。
ピンクやレースやプリンセスを好み
ちいさいものかわいいもののお世話したがりで
お菓子作りやお人形遊びが大好きで
なんというか、私とはチガウイキモノっていう感じがして、可愛らしいなあ、と思う。
わたしは、そういうものからあえて距離をとって生きてきた気がする。
うんとちいさいときはお姫様になりたかったと思ってたはず。
でもやがて
わたしには似合わない、と思う様になったし
わたしの親がそういう「女の子らしい女の子」的なものを好まなかった(ように感じていた)からというのも大きい。
(髪も短くすることを常に推されていた。)
そうやって思い返すとちょっぴり寂しい気もする。
でもまあ
今、自分が好きなものは、やっぱり心から好きと思うものだ。これでよい。
(髪も自らの意思でベリーベリーショート。これがまたわたしによく似合うのさ。)
そして、ウメちゃんには思う存分ぶりぶりと女の子を満喫してほしいなあ、なんて思っている。
私の好きなテイストとウメちゃんの好きなテイストが全然違うので
連れ立っていると私の友人などはおもしろいという。
わたしはそれが(母娘でテイストが全くちがうこと)なんだか自由でうれしいと思っている。
ウメちゃんがお腹にやってきたとき、6ヶ月過ぎまで胎動が感じられなかった。
いつもドキドキと、震えんばかりに検診にいっていた。生きているだろうか、私の子は。
ある日とてもブルーな気持ちで徒歩で病院に向かっているときに
ふと思いついて遠回りをした。
そうしたらあるお宅の庭に、大きなおおきなハナモモの木があって
鮮やかなピンクの花を満開にしていて
それを見上げて、鮮烈なまでの美しさにうたれたその瞬間に
「ああ、きっとお腹の子はとても生きるエネルギーのある女の子だろう。」と思った。
そしてすごく元気な気持ちで検診に臨み、その日、ウメちゃんが女の子であることを知ったのだった。
女の子を育てているとときに苦しい。
同性だから、自分を投影しやすいみたい。
境界線を侵食しそうになる。
そのたびに、ふるふると頭をふって自分に言い聞かせる。
この子はこの子よ。
ウメちゃんに会えて嬉しい。
我が家の植え込みにあるハナモモは育ちがよすぎて
毎年花や実が大量に落ちてご近所に迷惑だから
切ってしまおうかと毎年思うのだけど
その度にあの、大きくなってきたお腹をかかえて不安げに歩くわたしと、鮮やかなハナモモを思い出して、思い直すのだ。
今年も花と実の掃除、がんばることにします。