てっても ふっても

絵と本と珈琲が好きなポンコツかあちゃん。娘ウメちゃん 息子おもち とのプカプカな毎日 その考察。

ウマレルワカレル、甘い世界

ウメちゃんが生まれたあと、しばらくして街を歩くようになって

みんな
みんな
みんなに

「お母さん」というものがいて
壮絶な痛みを介して生まれてきたんだなあ

という

アタリマエ

のことが急にじわーんとリアルに実感して感動したものだった。

おもちくんを産んで育てながら
男の人というものを見る目がすっかりかわってしまった。

あの強面のおじさんも

思い出すだけで脇の下にじわんと汗をかいてしまうくらい、怖くて苦手だった上司も

テレビに出てくるどこぞの大統領も

みーんな

この私の腕のなかでぷくぷくのほっぺを押し付けている、ママがだいすき、おっぱいだいすき、やきもちやきのお調子乗りの、ちいさな男の子の延長なんだなあ、とリアルに知ってしまったから

そうか そうか。

と、笑いたくなるような
でもなんだかとてつもなく切ないような気持ちになる。

ちょっとだけあった“男の人が怖い”ような気持ち(子供の時に男子に侮辱的なことをいわれた記憶からだと思う)は

ゆうらりと溶けていった。



そうか そうか 。



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先だって、父が亡くなったことは
まだなんだか現実じゃないような感覚もありながら
一方で圧倒的なリアリティがあった。

それからというもの、ふと街を往く年配の方々をみるとぎゅーーっと切なくなる。

恐らく、彼らはみな、自分の親との別れを体験しているだろうから。

みんな、みんなあれを経験しているのか。

(もしくはこれからするのか。)

アタリマエはぎゅわんと私を切なく、そして無性に甘い、愛おしいような気持ちになる。

みんな、寂しいね。

でも、みんな、一緒だね。


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亡くしたことで父をとても近く感じるようになったわたしは

これからも生きる寂しさを感じることはたくさんだろうけれども
本当の意味での孤独な生き物にはなり得ないのだと知った。

生まれたときからそうなんだね。

わたしも。
みんなも。


産まれたり産んだり大切な誰かを亡くしたりしながら年をとっていく。

そうやって私の目に映る世界は甘やかになっていくのだろうか。


痛みを伴いながら、甘く。


いいもんだなあ。