てってもふっても
クリスマスです。
飾りをつくったり、料理をつくったり
しようねー と娘のウメちゃんと約束したのに
朝から身体も気持ちも 重い。
こどもたちは私に優しくて、こういうときに急かしたり責めたりしないの。
それをいいことにウダウダとしてしまっている。
ついでにいうと、今日はほんとうはウメちゃんの預かり保育を予約していたのにすっかり失念していて。
優しい先生が確認のお電話をくださった。
あーあ、またやっちゃった。
ほんとだめだなわたし。
それを理由に、またウダウダとしている。
実は最近ずっとこんな感じです。
わくわくと目の前のことに取り組めない。
なんだか自分だけが周りから置いていかれ
いてもいなくてもいいような存在に感じられる。
行動を変えよう
考え方を変えてみよう
えいっと動きだしても、卑屈な想いが湧いてきて、わたしの足を引っ張ってくる。
どうせ どうせ どうせ。
人間って出来れば変わりたくない生き物なんだって。
現状がどんなにイケてなくても、そのままでいたほうが「楽」だし怖くないから、なるべく変わらないでいようとしてしまうものなんだって。
一種の防衛本能。
なるほどなあ。
“変わりたいけど
変わりたくない
へんなやつ もう知らない
こどものときにきいてずっと耳に残っているコマーシャルソング。
そうそう、転職雑誌の宣伝だった。
絶妙な歌詞!
みんな、変わりたいのに変わりたくない自分を持て余して、もにょもにょしちゃうときってあるんだ。
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退屈そうなウメちゃんに申し訳なくて
そういえば、と 図書館で借りておいた絵本を取り出しました。
『マドレーヌのクリスマス』
ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作
江國 香織 訳
今年幼稚園に入園したウメちゃんの制服姿の写真を友人にみせたら「マドレーヌちゃんみたいな制服だね!」といわれて
有名な絵本だけどきちんとみたことがなかったなと改めて手にとってみたら
ほんとうに、制服姿のマドレーヌちゃんとウメちゃんはよく似ていて。
ちょっと古臭いかな?なんて思っていた制服が、一気にレトロなパリの風を吹かせてきたのでした。
素敵な絵本や言葉、素敵な人の感性には、魔法の力がある。
『マドレーヌのクリスマス』に出てくる、みんなの看病に張り切るマドレーヌちゃんの姿も、お世話好きでお手伝いが大好きなウメちゃんそのもので
きょとんとする彼女の顔と絵本をみくらべながら、クスクス笑いが止まらなかったのでした。
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こんなママでごめんね
とよく思う。
弱くて浮き沈みが激しくて、失敗ばかりで。
素敵なママじゃなくてごめんね
って。
そうやって落ち込んでみることもまた、変わらないための言い訳かもしれないなあ。
ねぇ
もう、そういうの
やめてみない?
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『マドレーヌのクリスマス』の最初のページに
“9じはんになると、てってもふっても、さんぽにでます。”
という文が出てくる。
てってもふっても‥?
一瞬、大きく手を振りながら散歩をするマドレーヌちゃんたちの姿が頭に浮かび
すぐに「照っても降っても」だと気付きました。
原文はなんと書いてあるんだろう。
私だったら
はれのひも あめのひも
とでも訳していただろうか。
てってもふっても
江國さんの訳、素敵だなあ。とってもいいなあ。いいなあ。
こういうのすごく幸せ。
よし、動き出そう。
まずは珈琲を飲もう。